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ナショナルインスツルメンツ(以下NI)はNI PXIe-6556、 PPMU付きデジタル波形生成器/アナライザのチャンネル間のスキュー仕様に問題があることを発見しました。なお、この問題はPPMUの動作には影響しません。
ダイナミック集録のチャンネル内スキュー(チャンネル間の入力スキュー):現存のほとんどのPXIe-6556は温度に対して公開されている仕様を超えています。
ダイナミック生成のチャンネル内スキュー(チャンネル間の出力スキュー):PXIe-6556は温度に対して公開されている仕様を超えている可能性があります。
NIは下記の通りに仕様:集録のチャンネル間スキュー、集録セットアップ、ホールド時間、および生成
セットアップ時間、ホールド時間を訂正報告します。PXIe-6556生成チャンネル間スキュー仕様は以前の仕様と同様です。影響を受けるユニットは2012年7月30日より前に外部構成を行なっています。生成スキューとすべての更新された仕様に適合させるためには解決策のセクションに述べられている更新が必要です。
仕様
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元の値
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改訂値
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メモ
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チャンネル間スキュー
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±300ps
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±650ps Max
±300ps Characteristic |
すべてのデータチャンネルに渡る最大のスキューは同じ電圧レベルに設定し、オーバードライブします。±25℃15℃の自己キャリブレーションが可能です。
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ストロボへのセットアップおよびホールド時間
仕様
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元の値
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改訂値
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メモ
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STROBEのセットアップ時間(tSUS)
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f < 20 MHz: 1.85 ns
f >= 20 MHz: 1.50 ns |
f < 20 MHz: 2.2 ns
f >= 20 MHz: 1.86 ns |
最大のチャンネル間スキューを含むが、システムのクロスロークは含みません。すべてのチャンネルに1.65Vのオーバードライブがあります。すべてのパフォーマンスはシステムのクロストークのパフォーマンスによって変わる可能性があります。
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STROBEのホールド時間 (tHS)
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f < 20 MHz: 3.12 ns
f >= 20 MHz: 1.13 ns |
f < 20 MHz: 3.47 ns
f >= 20 MHz: 1.49 ns |
最大のチャンネル間スキューを含むが、システムのクロストークは含みません。
すべてのチャンネルに1.65Vのオーバードライブがあります。すべてのパフォーマンスはシステムのクロストークのパフォーマンスによって変わる可能性があります。 |
セットアップ時間とホールド時間が与えられた生成
仕様
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元の値
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改訂値
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メモ
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最小セットアップ時間(tPSU)
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tP – tCO – 900 ps
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tP – tCO – 850 ps
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このテーブルはデータ位置がサンプルクロックの立ち上がりに設定されており、
変換されていないサンプルクロックはエクスポートされたサンプルクロックのオフセットとしてプログラムされ、DDCコンバーターにエクスポートされます。このテーブルはチャンネル間スキューや、符号間干渉の最悪の影響を含みます。 |
最小ホールド時間 (tPH)
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tCO – 600 ps
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tCO – 660 ps
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このテーブルはデータ位置がサンプルクロックの立ち上がりに設定されており、
変換されていないサンプルクロックはエクスポートされたサンプルクロックのオフセットとしてプログラムされ、DDCコンバーターにエクスポートされます。このテーブルはチャンネル間スキューや、符号間干渉の最悪の影響を含みます。 |
もし仕様されているアプリケーションが上記の仕様を含むあるいは、心配されている方はご使用のデバイスを外部構成をし、NI-HSDIOのソフトウェアバージョンを1.9に更新し、最新の自己キャリブレーションにしてください。もしシステム上に事前にインストールするようファクトリインストールを使用している場合は、システムドライバセットの2012年8月以降をインストールして構成を行なってください。
ご使用のNI PXIe-6556をNIにお送りいただければ2013年8月31日まで無償で外部構成を行えます。アメリカ/カナダで製品をお使いの場合は、1-877-493-2406に電話でご連絡ください。アメリカ/カナダ以外の地域で製品を使用されている場合は、各地域の営業拠点にご連絡し、外部構成を行なってください。
この度はご不便をお掛けして申し訳ございません。ナショナルインスツルメンツはお客様に満足していただけますよう、また安心して弊社の製品をご使用いただけるよう努めて参ります。
この問題に対して影響を受けるがどうか、またこの問題によってどのような影響を受けるかを判断する情報として、考えるべきいくつかのアプリケーションをご紹介します。
1) デジタルインターフェイス
デジタルインターフェイスを使用している場合、テストの目的は、デバイスアンダーテスト(DUT)よりデータを生成もしくは集録することとなります。
デバイスのタイミングの仕様を検証することは重要ではなく、可能な限りタイミングに余裕をもったアプリケーションを開発するのが最適です。もしこのようなアプリケーションを開発されており、ビットエラーがない場合には、たいていの場合はご使用のアプリケーションではタイミングには余裕があり、プログラムを更新する必要がありません。
NI-HSDIO生成セッションを使用している場合は、サンプリングをしている有効なデータ窓の中央の真ん中にクロックの中心を持ってくるのが最適です。DUTがサンプリングを同じセットアップ及びホールド要件の立ち上がりで行なっている場合、生成データの真ん中にクロックの立ち上がりがくるようにします。例えば、セットアップ(Tp-Tco-850ps)、ホールド(Tco-660ps)
という設定に対して、改訂された仕様を用いて、Tcoがデータレート200MBpsで2.4nsとしてプログラムされたとすると、(Tpの周期は5ns)セットアップ時間は
5 ns – 2.4 ns - 850 ps = 1.75 ns
ホールド時間は
2.4 ns – 660 ps = 1.74 ns
となります。
DUTのセットアップおよびホールド要件が1.75nsから1.74nsよりも短ければDUTのセットアップとホールド要件は満たされ、正しく集録されます。この計算はケーブルの整合がとれている場合の想定ですが、そうではない場合は、ケーブルの整合の悪さを計算に入れる必要があります。
NI-HSDIOの集録セッションの場合は、データをストロボクロックのセットアップ時間とホールド時間に対して中心に持っていくことが最適です。下図を参照ください。この画像でXXXXの場所はDUTからPXIe-6556に送信されたデータの不確定な領域です。また、DUTから与えられたストロボするためのセットアップ時間(Tsus)とホールド時間(Ths)も見ることができます。PXIe-6556でデータを正しく集録するには、DUTから与えられるセットアップ時間は1.86nsよりも長く、ホールド時間は、1.49nsよりも長い必要があります(20MHzを超える場合)。DUTがセットアップ時間の1.86ns、ホールド時間の1.49nsを超えない限りデータは正確に集録ができます。
2)デジタルインターフェイスの特性評価
データを評価するアプリケーションでは、DUTはチャンネル間スキュー、セットアップ時間、ホールド時間などのパフォーマンス仕様を決定するためにテストされます。これはPXIe-6556のタイミングの仕様(主にチャンネル間スキュー、セットアップ/ホールド時間)に大きく依存します。このようなテストを行われている場合、NIはPXIe-6556は外部構成に出すことを推奨します。
例えば、もしご使用のアプリケーションが2チャンネル間のタイミングの関係を求める場合、測定の不確かさは700ps (2*650ps – 2*300ps = 700ps) に増大します。これは集録チャンネル間スキューの仕様が±300psから±650psに改訂されたためです。
上記よりもゆっくりなクロックレートのアプリケーションの場合は、測定の不確かさによる影響は小さいといえます。例えば、20MHzでは不確かさは周期の1.4%の増加です。一方で200MHzでは14%の周期の誤差となります。生成チャンネル間スキューは改訂されていないので、2チャンネル間のタイミングを決めるときには、誤差の計算には変化はありません。このことを踏まえると、新しい仕様が特定のアプリケーションに影響を与えるかどうかを判断するには注意が必要です。
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