Archived: WLS/ENET-9163 使用中にエラー -50405 接続のタイムアウトが発生する現象について

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ハードウェア: Multifunction DAQ (MIO)>>Wireless DAQ>>WLS-9163

問題:
テストパネルやDAQmx 読み取りでワイヤレスDAQデバイスから集録をする際に、「エラー -50405 がテストパネルで発生しました。 クライアントによって転送が中止されたため、転送中のデータはありません。操作を指定通りに完了することができませんでした。」というメッセージが表示されました。これはどういう意味でしょうか。

解決策:
エラー -50405 が発生している場合は、ネットワークの接続がタイムアウトしている状態です。これは、ネットワーク接続が不安定な状態にあることを示します。この状態でWLSデバイスにpingを行った場合、応答に非常に長いミリ秒時間がかかったり、あるいは全く応答がないかもしれません。この状況を緩和するために、2種類の対処法があります。

  1. ネットワーク接続の状態を改善する
    • 無線接続の一部を有線接続に置き換える
      もしホストPCとWLSデバイスが両方とも無線アクセスポイントに無線接続をしている場合、無線アクセスポイントはWLSデバイスとホストPCに対して、同じ通信をリピートしている状況になります。これは無線の通信量を倍にしている状況になりますので、可能であればホストPCと無線アクセスポイントとの間を有線LANで接続し、WLSデバイスと無線アクセスポイント間の通信のみ無線接続にしてください。
    • 無線アクセスポイントとWLSの間の遮蔽物をなくす
      無線アクセスポイントとWLSデバイスの間にある物理的な遮蔽物は、無線信号を減衰させます。遮蔽物を取り除けない場合には、WLSデバイスか無線アクセスポイント、あるいはその両方を再配置して、なるべく無線信号が直線的に伝送できるような経路を確保してください。
    • WLSと無線アクセスポイントのアンテナを適切に設置する
      WLS-9163に同梱の物のような単純なスティックアンテナは、アンテナに垂直の方向に対して最も効率よく無線信号を送信します。WLSデバイスのアンテナと無線アクセスポイントのアンテナを同じ平面上に配置し、それぞれのアンテナを垂直に立てる(つまりアンテナが天井や床面の方向に無線信号を送信しない)ことによって、無線ネットワークのリンク状態が改善します。
    • アンテナを変更する
      ブースト機能や指向性アンテナを持った無線アクセスポイントを選択します。もし無線アクセスポイントがアンテナを2つ持つ場合は、それぞれを逆方向に配置することによって無線信号品質が改善する可能性があります。

    • 無線通信のチャンネルを変更する
      もし無線LANデバイスを使う環境に他の無線LANネットワークが構成されている場合、それぞれのチャンネルが干渉することによって通信品質が低下する可能性があります。
      無線アクセスポイントの設定で無線通信のチャンネルを変更することによって通信品質が向上する可能性があります。具体的な手順についてはお使いの無線アクセスポイントの取扱説明書をご参照下さい。

  2. タイムアウトまでの時間を長く設定する
    • ホストPC上の、以下2つのレジストリキーでタイムアウトエラーが発生するまでの時間を調整できます。より長い時間を設定することにより、不安定なネットワーク接続による通信の遅延に対するシステムの許容度を上げることができます。

    • レジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\niemrk\Parameters\  に移動してください。
      注:Parametersが存在しない場合は、niemrkを右クリックし、新規»キー をクリックします。新規作成されたキーの名前をParametersに変更します。
    • もしParametersキーがConnectionTimeoutとDiscoveryTimeoutのDWORD値を持っている場合はこのステップを飛ばして次に進んで下さい。
      Parametersを右クリックし、新規»DWORD値 をクリックします、新しいREG_DWORD値をConnectionTimeoutという名前に変更します。同様の手順で、DiscoveryTimeout という名前のDWORD値を作成します。
    • 二つのDWORD値が作成されたら、それぞれをダブルクリックし、10進のラジオボタンを選択し、「値のデータ」フィールドに値を入力しOKボタンを押します。
      ここで入力する値はタイムアウトが発生するまでのミリ秒時間になります。デフォルト値は2500ミリ秒です。
      入力する値の目安として以下の式をお使い下さい。

      タイムアウト(秒) = 12MB / (チャンネル数 * サンプルレート * サンプル値のデータ幅(Byte) )

      例: 4chアナログ入力、25kS/sec、16bit分解能のモジュールの場合、
      12,000,000Byte / (4 * 25,000S/sec * 2Byte) = 60秒
    • 延長されたタイムアウト時間の分のデータを保存するために、DAQmxの入力バッファサイズを増やすことをお勧めします。DAQmxタスクを開始する前に、DAQmx入力バッファ構成VIを配置します。バッファサイズとして指定する値(チャンネル毎のサンプル数)は、タイムアウト時間から以下の式で求めることができます。

      バッファサイズ = サンプルレート * タイムアウトまでの時間(秒)


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報告日時: 11/05/2008
最終更新日: 06/23/2010
ドキュメントID: 4R49MMD2