サンプル VI を用いた USRP-292x/293x の動作確認方法



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問題: 現在、 以下のモデルの中のひとつに該当する USRP のセットアップを進めています。
  • USRP-2920
  • USRP-2921
  • USRP-2922
  • USRP-2930
  • USRP-2932
LabVIEW、NI-USRP (USRP のドライバと関数のセット) はインストール済みで、NI-USRP Configuration Utility を用いて、PC から USRP が認識できていることを確認できました。そこで、USRP を用いた RF 信号の送信・受信の簡単な動作確認を行いたいのですが、どのような方法がありますか。


解決策: LabVIEW が既にインストールされた環境に NI-USRP をインストールすると、LabVIEW で USRP を制御するためのサンプル VI がインストールされます。本ドキュメントでは、このサンプル VI と、USRP に付属のケーブルを用いて動作確認を行う手順を紹介します。USRP の動作仕様の相違により、USRP-2921 とそれ以外の USRP とで動作確認方法が異なることに注意して、以下の手順を確認してください。


メモ: 本ドキュメントで紹介する動作確認には、USRP からの RF 信号の送信が含まれています。この動作確認を実施される際には、ユーザ自身の責任の下で、電波法等の法規制を確認され、当該法規制を遵守の上実施してください。


(1) USRP-2920、USRP-2922、USRP-2930、USRP-2932 の場合
これらの USRP は、RF 信号の送信と受信を同時に行うことができます。そこで、RX1/TX1 端子から送信したRF 信号を、付属の SMA ケーブルを用いて RX2 端子にループバックして受信する動作確認手法を説明します。

  1. 付属の SMA ケーブルの片側に、同じく付属の 30 dB アッテネータを取りつけ、写真 1 のように、RX1/TX1 端子と RX2 端子をケーブルでつなぎます。

    写真 1: USRP の RX1/TX1 端子と RX2 端子を SMA ケーブルで接続した様子

  2. Windows エクスプローラで、LabVIEW がインストールされたディレクトリを開きます。例えば、32 ビット版の Windows に LabVIEW 2013 をインストールしている場合、上記のディレクトリは C:\Program Files\National Instruments\LabVIEW 2013\ となります。

  3. 2 で開いたディレクトリの下の \examples\instr\niUSRP\ ディレクトリを開きます。

    メモ: 2、3 で開くディレクトリは、Windows XP/Vista/7 の場合、スタートメニューを開き、すべてのプログラム » National Instruments » NI-USRP » Examples » LabVIEW 2013 (32-bit) と選択することでも開くことができます。

  4. niUSRP EX Tx Continuous Async.viniUSRP EX Rx Continuous Async.vi を開きます。前者が RF 信号の送信用の VI、後者が RF 信号の受信用の VI です。

  5. niUSRP EX Tx Continuous Async.vi と niUSRP EX Rx Continuous Async.vi のフロントパネルのパラメータを変更します。

    図 1: niUSRP EX Tx Continuous Async.vi と niUSRP EX Rx Continuous Async.vi のフロントパネル

    i. 両方の VI にて、device names にUSRP に設定された IP アドレスを設定します。ドロップダウンメニューに USRP の IP アドレスが表示されない場合、キーボードから入力します。

    ii. 両方の VI にて、center frequency に送受信する RF 信号の搬送波周波数 (中心周波数) を設定します。設定可能な搬送波周波数は USRP の各モデル間で異なるため、使用している USRP にあわせて設定します。今回は 400 MHz から 4.4 GHz まで設定可能な USRP-2932 を使用しているため、デフォルト値の 2 GHz をそのまま使用します。

    メモ: NI USRP の場合、設定可能な搬送波周波数は本体に印字されています。

    iii. niUSRP EX Rx Continuous Async.vi にて、active antenna を RX2 に変更します。

  6. niUSRP EX Rx Continuous Async.vi のみ実行します。このとき、図 2 のように、RX1/TX1 端子からは信号が出力されていないため、ベースバンド信号の I/Q 層の時間波形の振幅は顕著に小さく、また、ベースバンド信号のパワースペクトルも顕著に小さくなっています。

    図 2: niUSRP EX Rx Continuous Async.vi のみ実行した状態

  7. niUSRP EX Rx Continuous Async.vi が実行された状態で、niUSRP EX Tx Continuous Async.vi を実行します。これにより、RX1/TX1 端子からは信号が出力され、図 3 のように、ベースバンド信号の I/Q 層の時間波形の振幅、パワースペクトルが図 2 と比較して大きくなっていることが確認できます。


    図 3: niUSRP EX Rx Continuous Async.vi が実行された状態で、niUSRP EX Tx Continuous Async.vi を実行した状態


メモ: 場合によっては、SMA ケーブルを繋がなくても、RX1/TX1 端子から出力された信号が RX2 端子で観測されることがあります。これは、USRP 内で信号の回り込みが生じているためです。この場合、送信側のゲインを下げて対応してください。

メモ: LabVIEW モジュレーションツールキットをインストールしていれば、3 で開いたディレクトリの下の \ModulationToolkitExamples\ ディレクトリの下に、USRP を用いてデジタル変調した RF 信号を送信したり、デジタル変調 された RF 信号を受信して復調するサンプルが格納されています。例えば、niUSRP EX QAM Tx.vi と niUSRP EX QAM Rx.vi などを同時に起動して、上記と同様にループバックの動作確認を実施できます。


(2) USRP-2921 の場合
USRP-2921は、(1) で示したモデルの USRP とは異なり、RF 信号の送信と受信を同時に行えません。そのため、(1) で紹介した niUSRP EX Tx Continuous Async.vi や niUSRP EX Rx Continuous Async.vi を交互に実行して動作確認を実施してください。


関連リンク:
NI USRPの技術リソース




添付:
図1.png

図2.png

図3.png





報告日時: 07/29/2014
最終更新日: 07/31/2014
ドキュメントID: 6NSKQ3W2