NI高速デジタイザにあるチャンネルの両方に同じ信号を接続しています。NI-SCOPEソフトフロントパネル(SFP)を起動して動作検証をおこなうと、2つのチャンネル間に垂直のオフセットがみられます。デバイスを校正するために高速デジタイザをNIサービスへ送る必要があるのでしょうか?
デバイスを送る前に、セルフキャリブレーションをおこなってみてください。
NI-SCOPE SFPを使用のメニューバーにある
ユーティリティ » セルフキャリブレーションを選択して、セルフキャリブレーションを実行することができます。
LabVIEWを使用している場合は、
スタート » プログラムファイル » National Instruments » NI-SCOPE » サンプルにある任意のLabVIEWバージョンフォルダを選択して、その中にある
niScope EX Calibrate.viを使用します。
セルフキャリブレーションには、以下の利点があります(デバイスによって異なります)。
- DCゲインおよびオフセット誤差をデジタイザの範囲内に修正します。すべてのレンジ、両入力インピーダンスパス(50 Ωおよび1 MΩ)、そしてすべてのフィルタパス(有効/無効)に対して行われます。
- トリガレベルオフセットおよびゲインを校正します。
- 時間/デジタル変換回路(TDC)回路を校正してトリガタイミングおよびタイムスタンプを確実にします。
- 1 MΩ入力周波数フラットネスを補正します。そして選択した減衰器のレンジに関わらず同等になるように入力キャパシタンスを補正します。
セルフキャリブレーションは、NI 5620およびNI 5621以外の高速デジタイザデバイスでサポートされています。ただし、NI 5102ではRandom Interleaved Sampling (RIS)タイミングのみ、NI 5132/5133ではDCオフセットのみを校正します。
セルフキャリブレーションは、装置の電源をおとした時、または環境が変化した時などに実行すると効果的です。ただし、定期的な外部再校正に取って代わるものではありません。セルフキャリブレーションは、外部基準に依存しません。その代わり、精度および安定性の高い内部電圧基準に基づいてデジタイザを調整します。温度など外部変化が測定に影響を与える環境でデジタイザを使用する場合に、セルフキャリブレーションを使用します。また、環境変化がない場合は、既知の基準に対してデジタイザが外部校正された後でのみ実行します。
デジタイザを新しいシステムへ移行した場合、前回のセルフキャリブレーションから5 ℃以上の温度変化があった場合、もしくは90日以上経過した場合にもセルフキャリブレーションをおこなうことで、最適なパフォーマンスを発揮します。これにより、2年毎の校正サイクル(NI 5102は1年毎)内であれば、動作温度範囲でDC成分の確度、AC成分の応答性、およびトリガレベル/タイミング性能を維持します。2年間の校正間隔が過ぎると、外部校正が必要となります。動作温度範囲および校正サイクルに関しては、各デバイスの仕様書を参照してください。
内部回路は、セルフキャリブレーション中に自動的に入力から絶縁されます。ただし、セルフキャリブレーション中に高電圧、500 V/µsスルーレートを超える高周波数信号が存在すると、問題が生じることがあります。判別がつかない場合は、説明に従って入力信号を取り外してください。入力信号の最大スルーレートが500 V/µs以下であることが確かであれば、問題なくセルフキャリブレーションを行うことができます。
セルフキャリブレーションをおこなうことで以下のように何度でもオフセットを修正できます。