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高解像度デジタルカメラによるコンクリートのクラック幅検出法
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教育・研究機関
LabVIEW、IMAQ Vision、Vision Builder、PCI -1428
長崎大学工学部社会開発工学科
岡林 隆敏 教授
1.システム開発の目的
1)開発システム
コンクリート表面のクラックを高精度かつ自動的に検出することを目的とし、高解像度デジタルカメラによるクラック幅検出システムの開発を行った。本システムは、画像入力ら画像処理に至るまでを完全にデジタル化することで、高精度且つ自動的にクラック幅を検出する。
2)システム開発の背景
高度経済成長期に急速に設備された構造物の多くが耐用年数を迎え、コンクリート構造物の劣化問題が顕在化しつつある。このような背景の下、維持管理業務の効率化が今後の課題である。コンクリート構造物の健全度を診断するためには、構造体に発生する様々な変状を正確に把握することが必要である。代表的な変状であるクラックは、構造物の応力状態の確認、また耐震性能の予測などの面から重要な情報となる。微細クラックの発生状況やクラック幅を検知するためには、従来、多大な労力を費やしていることから、効率的な計測方法の確立が求められている。
3)従来方法
コンクリート表面に発生するクラックは、時間の経過とともに増加する。従来現場において、このような多くのクラックの中から構造的欠陥を表すクラックを抽出するためには、経験的知識を備えておく必要があった。しかし、技術者の高齢化や少子化、また産業構造の変革により、経験的知識を有する技術者の数は減少する傾向にある。また、従来の計測方法自体が目視観察とスケッチであることから、より効率的な業務形態を確立する必要がある。
4)本システムの特徴
本システムはデジタルカメラとLabVIEWを利用した、少コストかつ高性能なコンクリートのクラック検出システムであり、検査の省力化、効率化、定量化を実現するものである。本システムの開発目標は次の通りである。
コンピュータを用いた画像による検査を行うことで、人力による検査に比べ低コストかつ定量的な検査を可能とする。
近年のカメラの低価格化や、画像処理を行うIMAQVisionを追加インストールしたLabVIEWを用いることで、低価格かつ高性能のクラック検出システムを実現する。
画像集録から画像処理までの間にアナログ処理が入ってしまうと、画像ににじみが生じてしまう。画質の劣化を防ぐため、すべての処理をデジタルで行う。
マウス、キーボードで画像処理の制御パラメータを変更しながら、パソコンのモニタ上で対話式に処理を行う。
図1 クラック検出システム
2.システム概要
本システムは、最新のデジタル画像処理技術を用いて、コンクリートの微細クラックの検出を実現するものである。画像集録から画像処理までをデジタル情報として扱い、構造物の損傷状態の管理をコンピュータ化することが可能である。図1にクラック検出システム構成を示す。デジタルインターフェイスの規格であるCAMERA Linkに対応したデジタルカラーカメラTMC-1000(Pulnix社製)と、画像集録ボードPCI-1428(National Instruments社製)を用いることで、画像集録から画像処理を一貫してデジタル処理を行うシステムを構築した。全工程デジタル画像データを扱うことにより、ノイズの少ないデータを高速に処理することができる。以上の機材およびIMAQ Visionの画像処理関数を用いて、LabVIEWでクラック検出プログラムを作成した。図2にフロントパネルを示す。画像処理では、RGB分割、明るさ、コントラストの調整、スレッショルド処理、エッジ検出などを行っており、画像を見ながら対話的に画像処理パラメータを変更することができる。エッジ検出したクラック部分にカーソルを合わせることで、検出したい箇所のクラック幅が表示される。図3にプログラムの流れを示す。
図2 フロントパネル
図3 システムの流れ
3.適用事例
1)概要
本システムのひび割れ幅検出精度と撮影距離との関係を明確にするため、コンクリート壁面のひび割れ検出実験を行った。本実験では対象とするひび割れ幅は0.4mm程度とした。撮影対象は、築後約30年経過したRC構造物の内部壁面である。その様子を図4に示した。画像集録システムには、CAMERA Linkに対応したプログレッシブスキャンカラーカメラ:TMC-1000と、画像集録ボード:PCI-1428を使用した。TMC-1000は、1 inch CCD搭載で解像度約100万画素である。TMC-1000のレンズには、マニュアルズームレンズ:V6×16-1.9Macro(CANON社製)を使用した。PCI-1428はパソコン搭載CPUの代わりにインターレース処理とPCメモリへのコピー処理を行うために、画像転送とホストプロセッサによる計算処理が並行して行われ、画像
処理性能が向上する。以上から構成される画像集録・処理システムを図5に示した。
2)検証結果
図4に示した範囲Aを1m、3m、5mの距離で撮影した画像と、本システムで処理した画像を図6に示す。それぞれ、画像の左側は撮影画像であり、また右側は本システムで処理した画像である。表1は、範囲A内のひび割れのある部分を対象としたひび割れ幅の実測値と、本システムより得られた値である。図6より、撮影距離が離れるにつれ撮影画像は不鮮明になるが、本システムにより抽出したクラックはほぼ明瞭かつ再現性が高いことが分かる。また表1より、抽出したクラック幅と実測値は撮影距離が3m程度以内において正確に検出していることが確認できる。実験結果から、本システムを用いて0.4mm程度の微細ひび割れを検出する場合、ひび割れ幅検出に対しては、撮影距離が3m程度以下であれば検出可能であることが分かった。また、ひび割れ形状を確認する場合には。撮影距離が5m程度以下であれば、確認可能であることが分かった。
図6 抽出画像
4.効果と今後の展望
目視検査に変わるクラック幅自動検出技術の開発のために、LabVIEWを開発ツールとする効率的な計測技術を構築し、その測定精度を検証した。本システムは、効率的かつ経済的なクラック検出を実現し得るものである。今後は、クラック発生状況をより簡便に計測する方法として、広範囲の画像を集録し、その中で必要な部分の拡大画像を集録するズーム機能や、精密なクラックの状況を確認できるようなシステムに改良していく必要がある。
5.NI製品とLabVIEWの機能
使用したNI製品とLabVIEWの機能は以下の通りである。
・LabVIEW6.1、IMAQ Vision、Vision Builder、画像集録ボード:PCI-1428
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E-mail:
salesjapan@ni.com
Tel: 0120-527196
Fax: 03-5472-2977
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