MIO DAQ デバイスのアナログ出力でグリッチを減らすには



ハードウェア: Multifunction DAQ (MIO)>>E Series

問題: デジタル-アナログ変換(DAC)を使用して波形を生成しています。しかしオシロスコープで値を観測すると出力信号にグリッチ(スパイクのようなノイズ)が載っています。グリッチは出力範囲の中央で現れます。これは正常な現象でしょうか。どうしたら回避できますか。



解決策: もしグリッチエネルギーの仕様の範囲内であれば、これらのグリッチは想定される動作です。一例として、下記の2つのデバイスのグリッチエネルギー情報は詳細な仕様で確認出来ます。

PCI-6221:
グリッチエネルギー
マグニチュード ..................................100 mV
時間 ...........................................2.6 μs

PCI-6251:
グリッチエネルギー(ミッドスケール遷移時)、±10 V レンジ
マグニチュード ...................................10 mV
時間 .............................................1 μs

デバイス間でグリッチのマグニチュードと時間が違うのが見受けられます。アプリケーションに適したデバイスを探す際は、グリッチエネルギー情報確認する事をおすすめします。

すべての DAC は、電圧間での切り替えをする際にグリッチ(小さい電圧のスパイク)を生成します。2進数で表現されたデータ列のうち、最上位のビット(MSB)が DAC のレンジの中央で切り替わる時、最大のグリッチが生成されます。グリッチを減少するには主に以下の2つの方法があります。

1.グリッチ除去用のローパスフィルターを作成し、グリッチの高周波数成分を取り除く事ができます。出力信号の周波数や特性に左右され、グリッチの低周波数成分は除去されません。グリッチ除去用のフィルタや回路の作成に関する追加情報は、関連リンクを参照してください。

2.外部的なグリッチ除去回路を組むことが出来ます。こちらの方法は、DAC が現在の値に落ち着くまでサンプルを使用し、サンプルに回路を保有し、前回の値を保有するという考えに基づいています。

注意事項:グリッチ除去の回路を組むことは容易な事ではありません。ネット上でこのような動作をするいくつかの回路図を見つける事が出来ます。National Instruments は内部に再グリッチ回路を含む DAQ カード(例:X シリーズのデバイス)を製造しています。これらはグリッチの影響を著しく減少します。関連リンクのセクションで再グリッチ機能がサポートされている DAQ カードの一覧を見ることが出来ます。また、デバイスの仕様でグリッチ除去について検索し、この機能を備えているか確認する事もできます。

National Instruments はオンボードフィルタ、補間、そしてオーバーサンプリング機能を兼ね揃えた高性能のアナログ出力デバイスも提供しています。これらのボードは一般的な DAQ 製品より遥かにノイズの少ない出力を出すことが出来ます。もしグリッチのない、高性能な信号を出力する事がアプリケーションにとって重要であれば、National Instruments シグナルジェネレーターや DSA ボードなどのアナログ出力ソリューションを参照ください。

関連リンク: KnowledgeBase 2TDC7TQ8: What is Glitch Energy?
KnowledgeBase 2MJBBB8R: What is Reglitching and How Do I Use it?
External Link: Maxim Deglitching Techniques for High-Voltage R-2R DACs
ホワイトペーパー: 信号発生器の基本

添付:





報告日時: 01/17/1996
最終更新日: 06/30/2014
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