NI 9237 のシャントキャリブレーションとオフセットキャリブレーションの方法



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問題: NI 9237 のシャントキャリブレーションとオフセットキャリブレーションの方法を教えてください。

解決策:
シャントキャリブレーション
 
シャントキャリブレーションでは、ブリッジの抵抗を一定量だけ変化させることによってひずみ入力をシミュレーションします。既知の抵抗値(シャント抵抗)をブリッジの1ヶ所にかけブリッジの出力を測定し、予想値と比較します。その結果をもとに測定誤差を補正します。このときに使用する係数をゲイン調整係数といい、下記の式であらわすことができます。
ゲイン調整係数 = (予想値) / (測定値)
シャントキャリブレーション後、実際にひずみ測定を行う際に結果として返される読み取り値は、ゲイン調整係数と測定値の積です。ゲイン調整係数を使用することにより精度の高いひずみ測定を行うことができます。
 
添付サンプルプログラムでは、FORループが3回実行され合計3つのデータを読み取ってきています。1つ目のデータは、キャリブレーションを行っていない状態のデータです。2つ目のデータは、Shunt Cal Enable I/O プロパティをTRUEにし、シャントキャリブレーションを行って取得したデータです。また、3つ目はOffset Cal Enable I/O プロパティをTRUEにし、自動ゼロ調整を行って取得したデータです。
 
メモ:NI 9237 の入力範囲は十分に大きいため、オフセットがあったとしても測定時に有効な入力範囲をこえてしまうことは稀です。そのため、オフセットヌル調整機能はNI 9237 にはついていません。オフセットヌル調整の可能なデバイスを使用している場合は、より正確なキャリブレーションを行うためにオフセットヌル調整をシャントキャリブレーションの前に行ってください。
NI 9237 のシャントキャリブレーションと自動ゼロ調整
 
添付サンプルプログラムでは、NI 9237でShunt Cal Enable や Offset Cal Enable I/O プロパティを使用してキャリブレーションを行う方法を示しています。ここで使用されるひずみゲージの構成は、クォータブリッジです。
 
1つ目と2つ目の測定結果の差は、シャントキャリブレーションを行ったデータと行っていないデータのずれです。シャント抵抗として100Kオームの抵抗が使用されています。この誤差は、ひずみゲージのリード線の抵抗により生じる誤差です。リード線の長さが長いほど抵抗値も大きくなり、測定に誤差をもたらします。一般的にエラーは1%以内である必要があります。
 
1つ目と3つ目の測定結果の差は、ブリッジのバランスの精度を反映します。3つ目のデータは、ブリッジがうまくバランスのとれた状態で測定されたデータです。Offset Cal Enable I/O プロパティをTRUEに設定し内部でひずみゲージのリード線を断ち、アナログ入力チャンネルをショートさせることにより行います。これは、ソフトウェアによる計算で初期電圧を補正するため簡単で時間もかからないというメリットがありますが、実際のブリッジのオフセット電圧が排除されないというデメリットがあります。そのため、ひずみゲージに力を加えていない状態ですでにデバイスの仕様範囲の上限または下限に近い値を測定してしまっている場合(大きなオフセットがのっている場合)、測定時に結果が仕様範囲外になってしまう可能性があります。NI 9237の仕様では、有効範囲は-25 mV/V から 25 mV/Vになっています。
 
添付VI
このサンプルを実行するためには、LabVIEW 8.6, LabVIEW RT 8.6, LabVIEW FPGA 8.6 NI RIO 2.4以降が必要です。NI RIO 2.4よりも前のバージョンを使用している場合は、このセクションの後半を参照してください。NI DAQmx でNI 9237 を使用する場合は自動的に初期オフセットが引かれたデータが返されますが、NI RIO でNI 9237 を使用する場合はもとのデータが直接返されます。そのため、正確なデータを得るためにはデータ取得後にプログラムを組むなどして手動で初期オフセットを引く必要があります。
 
    NI RIO 2.4 以降を使用している場合
 
以下のリンクに記述されているように、NI RIO 2.4 以降を使用している場合は固定小数点データタイプを使用することができます。固定小数点を使用するとすでにデータ単位の換算が行われたかたちでデータを取得することができるので、プログラム的に単位換算を行う必要がありません。
 
Where Can I Find The Binary to Nominal VI?
http://digital.ni.com/public.nsf/allkb/E86D8D460C4C092F8625752F00050A61?OpenDocument
 
shuntoffsetfpgaRIOver24.vi : FPGA 側のVI
shuntoffsetrtRIOver24.vi : RT側のVI
 
    NI RIO 2.4 よりも前のバージョンを使用している場合
 
固定小数点データタイプをサポートしていないバージョンを使用している場合は、プログラム的に単位の換算を行う必要があります。FPGA I/O Nodeは固定小数点の代わりにバイナリ表記を符号付き32ビット整数として返します。Binary to Nominal 関数を使用して単位の換算を行うことができます。この計算をするためには、LSB Weight とオフセットの値が必要になります。
 
shuntoffsetfpga.vi : FPGA 側のVI
shuntoffsetrt.vi : RT側のVI
Binary to Nominal.vi : 単位換算用のVI
 
追加情報
リモートセンシング
ひずみゲージ回路が信号調節製品や励起電圧源から離れた場所にある場合には、励起電圧をブリッジに接続するリード線の抵抗による電圧降下が原因で誤差が発生する可能性があります。信号調節製品の中には、この誤差を補正するリモートセンスという機能が装備されているものもあります。
 
リモートセンスには、一般的に2つの方法があります。フィードバックリモートセンスでは、励起電圧からのリード線がブリッジ回路に接続されている部分にセンスワイヤを接続します。このセンスワイヤは、リード線における電圧の損失を補正するように励起電圧を調整して、ブリッジに必要な一定の電圧を与えることができます。
 
もう1つのリモートセンスの方法では、ブリッジの励起電圧を直接測定します。この電圧測定では微小な電流しか流さないため、計測に与えるリード線の抵抗の影響は無視することができます。測定された励起電圧は、電圧からひずみ量への換算時に使用されてリード線における電圧降下が補正されます。
 
オフセットヌル調整
この方法では、可変抵抗器であるポテンショメータを使用して、ブリッジの出力を物理的にゼロに調整します。


関連リンク:

NI 9237 Example for Shunt Cal and Offset Cal

Pressure and Load Measurements: How-To Guide

Strain Measurement with a Strain Gauge

NI 9237 操作手順

NI 9945NI 9237の配線ガイド

Where Can I Find The Binary to Nominal VI?

Signal Conditioning/Processing Library for Use With Any NI-DAQ Version

Measuring Strain with Strain Gages



添付:
9237shuntoffset.zip




報告日時: 02/06/2009
最終更新日: 02/06/2009
ドキュメントID: 4U5T6T5