同時サンプリングSCXIモジュールの最大サンプリングレート



ハードウェア: SCXI>>Modules>>SCXI-1140

問題: 同時サンプリングSCXIモジュールの最大サンプリングレートはどのように計算するのでしょうか?

解決策: SCXI-1520、SCXI-1530/1、SCXI-1140はTrack-and-Hold回路を搭載した同時サンプリング アナログ入力SCXIモジュールです。 システムの最大 サンプリングレートはシステム内の最も動作の遅いモジュ ールに制限されます。同時サンプリングSCXIモジュールと データ集録ボードをマルチプレクスモードで接続した場 合、最大サンプリングレートはSCXIモジュール上のTrack- and-Hold回路の "acquisition time" と "scan interval"、そしてデータ集録ボードの "scan interval" で制限されます。


下記の式を用いて、システム上の最大サンプリングレートを求めることができます。このサンプリングレート以下では、測定誤差は生じません。

    最大サンプリングレート = 1/(Acquisition Time + (N-1)*Scan Interval)
ここで:

  • N はスキャンするチャネル数です。
  • Acquisition Time はTrack-and-Hold回路がホールドモードからトラックモードにモードを変更するのに要する時間です。
  • Scan Interval は特定の精度を実現するために必要な最小チャネル間遅延です(サンプル間隔の最小値)。scan intervalは測定において必要とする相対精度によって値が変わります。Scan Intervalで考慮する指標は2つあります。ひとつはSCXIモジュール上のマルチプレクサの"scan interval"、そしてもう一つはデータ集録ボード上の計装差動増幅器の"settling time to full-scale step"です。 これら2つのデバイスのデータシートを参照すれば、さまざまなパーセント表記の相対精度と対応する"Interval scan"の値を調べることができます。SCXIモジュールをマルチプレクスモードで使用する場合、上記の式上の"scan interval"はSCXIモジュール上のマルチプレクサの "scan interval" と データ集録ボード上の計装差動増幅器の "settling time to full-scale step" の最大値です。パラレルモードの場合は、データ集録ボード上の計装差動増幅器の "settling time to full-scale step" が上記の式での "scan interval" となります。

      ノート: SCXI-1520はマルチプレクスモードのみで動作します。
下記のテーブルでは、"acquisition time" と "scan interval" の典型的な値と対応する相対精度が示されています。データ集録ボードの"scan interval"はボードにより多少ことなりますのでそれぞれのマニュアルをご確認ください。

モジュール 相対精度 Acquisition Time
SCXI-1520 +/- 0.012% 7 us
SCXI-1530/1 +/-0.012% 7 us
SCXI-1140 +/-0.012% 7 us
* これらの値はユーザーマニュアルの"Track-and-Hold Characteristics"の項に示されており、下記のリンクからユーザーマニュアルをご参照ください。(us = microseconds)

デバイス 相対精度 Scan Interval
E Series DAQ board (12-bit) +/- 0.012% 3 us
E Series DAQ board (16-bit) +/- 0.0015% 10 us
SCXI-1520 module +/- 0.012% 3 us
SCXI-1530/1 module +/- 0.012% 3 us
SCXI-1140 module +/- 0.012% 3 us
* これらの値はユーザーマニュアルの"Scan Interval"の項に示されており、下記のリンクからユーザーマニュアルをご参照ください。(us = microseconds) データ集録ボードの他の"Settling Time to Full-Scale Step"の値はユーザーマニュアルよりご確認ください。Product Manuals library.


Examples
下記に計算例を2つほど紹介いたします。最初の例はSCXI-1530をマルチプレクスモードで使用した場合、2つ目はパラレルモードで使用した場合の例です。