同時サンプリングSCXIモジュールが実現できる最大サンプリングレートを知るためにどのような指標を考える必要がありますか?



ハードウェア: SCXI>>Modules>>SCXI-1140

問題: 同時サンプリングSCXIモジュールが実現できる最大サンプリングレートを計算する場合、そのSCXIモジュールの "Scan Interval" と データ集録ボード上の計装差動増幅器の "Settling Time to Full-Scale Step" という指標がなぜ必要なのですか?

解決策: SCXI-1530/1、 SCXI-1140、そしてSCXI-1520はTrack-and-Hold回路を持つ同時サンプリングアナログ入力モジュールです。このうち、最初の3つはマルチプレクスモードとパラレルモードの両方に対応していますが、最後の1520だけはマルチプレクスモードでのみ使用可能です。
パラレルモードではモジュール上のチャネルがそれぞれデータ集録ボードの各チャネルに接続され、マルチプレクスモードではSCXIシャーシが各チャネルからの信号をマルチプレクスしてデータ集録ボードの一つのチャネルにデータを渡します。 システムの実現できる最大サンプリングレートはシステム内で最も遅いモジュールに制限されます。
マルチプレクスモードでデータ集録ボードと同時サンプリングSCXIモジュールが構成された場合、モジュールのTrack-and-Hold回路はモジュール上のすべてのチャネルの電圧値を同時にホールドし、そのモジュール内のマルチプレクサがそれぞれのチャネルを一つずつデータ集録ボードのA/Dコンバータに接続します。従って、この一連の過程には次の3つの要素が関連します: SCXIモジュールのTrack-and-Hold回路、SCXIモジュールのマルチプレクサ、そしてデータ集録ボードの計装差動増幅器です。ですから信号を一定の相対精度をもってサンプルする場合, これら3つの要素のセトリングタイム(Settling Time)を把握する必要があります。つまり、システムが次の電圧値をサンプルすることのできる状態になるまでに必要とする時間を計算する必要があるということです。
もしSCXIシャーシがデージーチェーンにより接続されており、すべてのシャーシが同じデータ集録ボードに接続されている場合、それぞれのSCXIシャーシはそれぞれデータ集録ボードの別のチャネルにマルチプレクスされます。この場合、データ集録ボード上のマルチプレクサを新たな4つ目の要素として考慮する必要がありそうですが、計装差動増幅器のセトリングタイムはマルチプレクサのものよりも大きいため、結論として計装差動増幅器のセトリングタイムだけがシステムの最大サンプリングレートに影響します。
パラレルモードでシステムを構成した場合、SCXIモジュール上の信号はデータ集録ボードのそれぞれのチャネルに接続されるため、SCXI上のマルチプレクサは使用されません。従って、この場合はTrack-and-Hold回路とデータ集録ボードの計装差動増幅器のみを考慮することになります。
SCXIモジュール上のTrack-and-Hold回路とマルチプレクサの関連する情報はそれぞれユーザーマニュアルの "Acquisition Time" と "Scan Interval" です。データ集録ボードの計装差動増幅器で関連する指標は、"Settling Time to Full Scale Step" です。

関連リンク: KnowledgeBase 2K1BIKWD: What Is the Maximum Achievable Scan Rate of the Simultaneous Sampling SCXI modules?
KnowledgeBase 27SDGMCM: SCXI Scan Rate
KnowledgeBase 12T7B7BB: DAQCard-AI-16XE-50 Sample Rates with SCXI
Product Manuals: SCXI-1520 User Manual
Product Manuals: SCXI-1530/1 User Manual
Product Manuals: SCXI-1140 User Manual


添付:





報告日時: 04/03/2002
最終更新日: 08/23/2002
ドキュメントID: 2K2EACWD